こんにちは!おしゃべり建築士です!
今回は壁や天井にものを固定する際に必要な『下地』についてお話していきます。
新築でもリフォームでも計画の時点で下地について考えることが非常に重要となりますので参考にしてください。
【今回のお話で出てくる建材たち】
下地とは
まず『下地』について解説していきます。
壁や天井は通常【石膏ボード(プラスターボード)】と呼ばれる板材が張られています。この石膏ボードは壁紙の施工の点や火事対策に非常に優秀な建材です。
しかしこの石膏ボード、難点がひとつだけあります。
石膏、つまり粉を固めた板なのでビスなどのネジ材を取り付けても、ごそっと抜けてしまいます。
壁や天井に重たいものを取り付ける際、石膏ボードに取り付けてしまうと落下の恐れがあります。
そこで登場するのが下地という素材です。
下地とは石膏ボードのさらに下にいる柱や木の板などのことです。
木に取り付けたビスってひっぱても抜けることはありません。
上で述べたように石膏ボードにはビスが使えないので、その下に柱や木の板を入れ、その板にビスを取り付けようという発想が下地です。
業者さんが勝手に下地を入れてくれるところ
下地は様々な箇所に入れる必要がありますが、工事の特性上必ず下地が必要な部分にはなにも言わなくても業者さんが下地を入れてくれています。どんなところに下地が使われているか紹介します。
キッチン
キッチンに吊戸棚がある場合、その棚を壁で吊るために壁の中に下地が施工されています。
洗面台
洗面台のミラーキャビネットも壁に固定する必要がありますので、必要箇所には下地が使われています。
収納棚の取り付く壁
【当初から設計計画されている】ものを置いて重さのかかる棚が取り付く壁にも下地が入ります。
手すり
【当初から計画されている】階段や玄関の手すりにも下地が入っています。
業者さんにお願いしないと下地が入らないところ
ここでは普通の工事では下地を入れないけれど、入れておいたほうがいいところを紹介します。いざ家が完成してから下地を入れるとなると大掛かりな工事となってしまいますので事前にしっかりと打ち合わせが必要です。
家具の固定をする壁
地震に備えて大きな家具を壁に固定することが推奨されていますが、そもそも下地がなければ固定にはなんの意味もありません。
住宅の引き渡し後、大きな家具を置くところには下地を入れておくことをオススメします。
つまり、新築やリフォームの計画と並行して家具や家電の配置計画もしっかり決めておく必要があるということです。
壁にものを掛けるところ&棚をつけるところ
業者さんが下地を自動で入れてくれるところにも似た項目がありましたが、こちらは【あらかじめ設計計画されていない】棚などになります。
あとから自分で棚をつける可能性のある場所には、とりあえず下地を入れてもらうようにしましょう。
工事中にお願いすると非常に高い追加費用を求められるケースもありますので、打ち合わせの段階からしっかりとお願いしておきましょう。
下地に使う材料
下地には柱や梁などの構造体をはじめ様々な材料がありますが、もっとも一般的な材料は【構造用合板】です。
値段も板材のため下地が必要な部分を広い範囲でカバーできる特徴があります。
下地の追加に必要な費用
下地の追加にかかる費用は微々たるものです。
構造用合板が1枚1500円程度、大工さんの手間が10分程度…
さて、いくらの追加になりますかね。
わたしの知人は工事中に下地の追加をお願いしたところ1か所
2万円かかると言われた方もいますが、うーん。って感じですね。
※工事の完了後の下地の追加は大工さん、内装屋さんなど非常に多くの手間がかかりますので、5万円前後の出費は覚悟したほうがいいでしょう。
さいごに
いかかでしたか?
住宅の打ち合わせは、目に見えるところ以外、特に工事後の生活を見据えてしっかりと打ち合わせする必要があります!
ささいな打ち合わせにも喜んで付き合ってくれる業者さんを選んでくださいね!