こんにちは!一級建築士のおしゃべり建築士です。
今回は住宅の建築に制限を受ける『都市計画道路』について紹介します。
都市計画道路の目的と制約について確認していきましょう。
都市計画道路とは
都市計画道路とは、都道府県や市町村が都市計画法にのっとり定めた『将来道ができる』予定の今はなき道路です。
もともとある道路を拡幅予定の場合や、完全に住宅街なのに市街地を分断するかたちで計画されている場合もあります。
拡幅予定の場合、本当に将来道路として整備される可能性がありますが、市街地を分断しているような計画道路の場合、工事の予定が永遠に未定の場合が多いでしょう。
区役所や市役所の都市計画を所管する部署で、都市計画道路を確認することができますので、ご自分の家や購入を予定している土地がこの都市計画道路に関係ないか確認してみましょう。
都市計画道路によって受ける制約
都市計画道路が住宅の建築予定地にかかっている場合、どのような影響があるのでしょうか?
住宅の建築の際、都市計画道路が関わる項目は3つ、建物の構造や階数に制約があること。許可申請が必要。長期優良住宅の認定が受けられない。です。
構造と階数に制約を受ける
都市計画道路は前述のとおり、将来道路となる土地ですので、実際に拡幅工事などの際に、建物を撤去する必要があります。
将来の撤去の可能性を見据えて、都市計画道路内に建築できる建物は、以下のような建物である必要があります。
- 2階建てまでの建物であること(3階以上や地下室不可)
- 構造は木造や鉄骨造などであること(鉄筋コンクリート不可)
また、行政によっては協議書や誓約書といった形で、道路工事が行われる際には、建物を撤去する旨の書類を求められる場合があります。
許可申請が必要
都市計画道路の予定地に建物を建てる場合、構造や階数を守ったうえで許可をとる必要があります。
この許可を得ないと建築確認申請を下ろしてもらうことができないため、工事に着手することができません。
通常の申請以外に許可申請が必要ということは、その申請にかかる諸費用が建築価格に上乗せされるということです。
実際、許可自体はたいしたものではありませんが、必ずと言っていいいほど費用がかかります。
申請費用もかさばるとバカにはなりませんよね。
長期優良住宅の認定が受けられない
これが最大の難点になる人もいるでしょう。
都市計画道路内に建てる住宅は、長期優良住宅の認定を受けることができません。
その理由は、長期優良住宅とは30年以上の長い期間、適切な維持保全を行って住宅を長いあいだ使用することを目的としたものであり、将来道路工事の際、取り壊す必要のある家とは相いれない存在だからです。
土地の価格にも影響がある
敷地が都市計画道路にかかっていると、土地の価値にも影響があります。
将来幹線道路が通った場合、地価が上昇する場合もありますが、ほとんどの場合、いい影響がありません。
目的の土地が都市計画道路にかかっている場合、将来の価値についてもしっかりと不動産屋さんとお話をしておきましょう。
さいごに
いかがでしたか?
意外と知らない都市計画道路という未知の計画道路のお話でした。
一度、役所で調べてみると面白いところに道路の計画があるかもしれませんよ!