こんにちは!『一級建築士』おしゃべり建築士です!
今回のテーマは土地の特性のひとつである防火地域と準防火地域について紹介していきます。
防火地域と準防火地域は、建築物への制約が非常に大きい地域となりますので、防火地域と準防火地域がどのような目的を持った地域なのか。
そしてどのような制約を、課せられているのかを一緒に確認していきましょう。
防火地域とは
防火地域とは都市計画法によって、主として市街地密集地に設定されている、火災に強い建物を作る地域のことです。
建物と建物が密集している市街地では、1つの建物が火事になると周りの建物への延焼(火事が次々に広まること)の危険性があります。
そのため防火地域では、建物の大きさ(階数や床面積)に応じて、火事に強い建物を建てることを求められます。
※火事につよい建物の性能を『耐火性能』と呼びます。
また、後述しますがこの防火地域では建物の隣地からのもらい火の可能性のある部分にも火に強い窓やドアを付けることも求められます。
準防火地域とは
防火地域よりも1ランク緩和された火事に強い地域です。
防火地域と同じく、建物の大きさに応じて火事に強い建物を建てることを求められますが、防火地域に比べ少し求められる耐火要求が下がっています。
また、もらい火の可能性のある窓、ドアには防火地域と同じ性能の、火に強い性能が求められます。
もらい火の可能性のある窓、ドアにとは
建築の法律(建築基準法)では、近隣からもらい火のある範囲というものが定められています。
1階部分は、境界線や道路の中心から3mの範囲。
2階以上の部分は、境界線や道路の中心から5mの範囲です。
このもらい火の範囲にある窓やドアは、火災に見舞われた際、破損しにくく家の中に火を入れないような性能が求められます。
具体的には、防火設備という構造を求められ、窓では網入りガラスなどが該当します。
防火地域や準防火地域に建築物を建築する場合の制約
防火地域や準防火地域では建てる建物の面積に関わらず、確認申請という事前手続きが必要となります。
また、確認の申請の中でも通常よりも多くの提出資料を求められるケースが多いため、ハウメーカーへ支払う申請の代行手数料が割高となるケースが多いです。
基本的には、防火地域や準防火地域に建築される建物は、防火の地域に設定されていない地域に比べしっかりと工事管理がされる場合が多いです。…個人的な感想ですが。
さいごに
いかがでしたか?
土地には建物の用途や防火の程度など、様々な特性が設けられています。
土地探しをこれからされる方は、いろんな知識が必要となりますので、かならずプロの不動産屋さんとともに土地探しをしましょう。